スポーツチーム×お米づくり?! 食でつながるばいくすの輪
スポーツチーム×お米づくり?!
いま、バイクスが農業に注目する理由とは

「愛媛でスポーツを元気に」。クラブ設立からこの言葉を理念に掲げ、地域とともに成長するクラブを目指して活動している、愛媛オレンジバイキングス。
10年目を迎えた現在では、試合やスクール活動だけでなく、地域課題に取り組みにも力を入れています。その一つが「ばいくすこども食堂」です。
バイクスでは愛媛県内のこども食堂を対象に、食材の寄付やアリーナグルメを子ども食堂化する活動などを進めてきました。
様々な活動を行うなかで、バイクスとしてさらに地域のためにできることはないか、と考えるようになりました。食べるだけでなく、もっと地域の食育や、地域課題解決にバイクスの活動が繋げられないかー。
模索の先に新たに生まれたのが、「バイクス米プロジェクト」です。
こどもたちが植えたお米を、こども食堂の食材支援へつなげたい。

スポーツチームと、お米づくり。一見すると結びつかないようにも思えます。しかし、スポーツは体が資本。そして、その体をつくる土台となるのが「食」です。
毎日当たり前のように食べているお米が、どのように作られているのか。苗を植え、自然と向き合いながら育て、収穫する。その過程を体験することで、子どもたちに食のありがたさや農業の大切さを感じてもらいたい。さらに、人口減少や高齢化が進む地域の現状についても、一緒に考えるきっかけになれば。そして、子どもたちが自ら植えて収穫したお米を、再び子ども食堂へ食材支援として届けられたら。そんな“支え合いの循環”を作れたら素晴らしい。今回のプロジェクトは、そんな構想をきっかけに、動き始めました。
美しい景色が残る、今治市神宮地区へ。

プロジェクトの舞台となるのは、今治市神宮地区。訪れたのは穏やかな景色が広がるこの地域で、100年以上続く米農家として農業を営む、白川ファームさんです。
手間を惜しまない昔ながらの製法で、美味しいお米を育て続けている白川ファーム。取材で訪れた4月の田んぼでは、田植えを前にした土が静かに整えられ、新しい季節を迎える準備を進めていました。

今回のプロジェクトのきっかけをつくってくださったのは、Bリーグイノベーションパートナーであるインフロニア・ホールディングスの前田建設に勤務する白川さん。白川さんがスポンサーとしてクラブと関わる中、「ばいくすこども食堂」の活動を知り、ご実家の白川ファームでの農業体験を提案してくださいました。仕事を通じて地域支援や地方創生について考えることが多かったという白川さんは、農業現場の高齢化が深刻化していることも、日々実感していたといいます。

白川ファームのある今治市神宮地区も例外ではありません。かつては伝統文化も教えてくれる人がいましたが、今では高齢化や少子化でそういった風景も失われつつあるといいます。
だからこそ、子どもたちがこの地域に来てくれることが地域の元気にもつながる、と期待を寄せています。
企画会議は白熱!昔ながらの田植えを体験してもらおう!

まずはバイクスのスタッフが、これまでの「ばいくすこども食堂」の取り組みや、今後考えていきたい目標をみなさんにご説明しました。子どもたちにどんな体験を届けたいか、ここで実ったお米をどういった場所で、どんな形で提供していけるか。バイクスとしても初めての試みのため、課題や実施のアイデアがたくさん見えてきました。

田植え体験といっても、ただ苗を土に植えればいいわけではありません。その深さ、間隔、きちんと育つように作業するのはなかなか難しいものです。その大変さも含めて体験してもらうことが、このプロジェクトのテーマでもあります。
白川ファーム2代目オーナー“とーちゃん”は88歳。今も現役で田んぼに立ち続けています。現在の白川ファームのメンバー7人もほとんどが高齢者。このようなイベントには慣れていないものの、それでも「昔ながらの農業を伝えたい」という思いは強く、どうすれば参加者に本物の体験を届けられるか、真剣に考えてくださいました。

今回の作業で行うのは、機械ではなく、人の手で一本ずつ苗を植える昔ながらの方法。泥の中に入り、中腰で作業を続ける田植えは、想像以上に体力を使います。「泥だらけになるよ」「裸足は危ないよ」「こんな準備物が必要ではないか?」と、話し合いもどんどん具体的になっていきました。

そんな折、お隣の事務所からふわりと漂ってきたのは、炊きたてのご飯の香り。
「ぜひ、私たちのお米を食べていってください。」と、うれしい声が。
炊きたてのご飯のいいにおい!この感動を届けたい。

炊き立てのご飯はふっくら、お米の一粒一粒がしっかりと立っていて、とっても美味しそう!その場で握ってくださったおにぎりは、一つ一つ形が違う、人のぬくもりを感じる味でした。


みんなで食卓を囲み、ご飯を食べる。そんな当たり前の時間が、実はとても貴重なのかも・・・、そんな気づきを、多くの子どもたちに感じてもらいたい。苗から愛情を込めて育てられたお米を味わいながら、そんな思いがさらに強くなっていきました。

食を通じて、人と人がつながる。地域と子どもたちがつながる。それはきっと、新しい未来への一歩になるはず。
白川ファームのメンバーのみなさん、ブースターのみなさんとともに、おいしいおにぎりをこの景色とともに味わいたい。そんな思いで始まった「バイクス米プロジェクト」。いよいよ、6月にスタートします!
さて、どんな思い出が育っていくでしょうか?

